小金井市梶野町E様の相続税申告事例

相続人は2人とも20代（二男は大学生）と若く、難しい相続手続きを前に途方に暮れてしまい一切手つかずのまま何か月も過ぎてしまっていたところ、見かねた相続人の伯母、叔父が手を差し伸べ専門家探しを開始した。

その時には既に申告期限まで3ヶ月を切っている状況であったため、初めに相談した税理士事務所では仕事の引き受けを断られてしまった。

その後で弊社が面談の機会を頂くことになり、申告期限まで2ヶ月という時期で依頼を受けることになった。

どの金融機関と取引をしているか（証券会社1社、銀行4社）はわかっていたが一切が手つかずであったため、残高証明書の手配をはじめとした財産債務調査から遺産分割、納税資金確保のための解約手続きまでを2ヶ月以内に行わなければならず、無駄のない的確なスケジューリングが求められた。

納税見込額が700万円または未分割申告となる場合は1,000万円と高額であったため納税資金の確保が優先課題であった。（死亡保険金があれば確保しやすかったが、生命保険契約照会制度により調査したところ保険契約はなかった）

申告期限間近で依頼を受けることは少なくありませんが、相続手続きの全体像や手順がしっかりと頭に入っていないと当然に短期間での段取りをつけることはできないので相続の専門家としての腕が試されるケースです。

また、今回遺産分割は基本的に1/2ずつの方針でしたが、長男・二男ともに被相続人（父）と同居していた自宅の土地建物をどう相続するかが問題でした。

今後のライフプランがまだ描けておらず、そして大きく変わりやすい若い2人には悩ましい問題です。

共有にしておくのが現実的かと想像していたところ、二男が「兄が相続するということで良い」と言い出しました。

不動産を相続するということが本質的にピンと来ていなかったのかもしれません。（私自分が同じ年齢でこの問題に直面したとしたらそうだったであろうと思います）

自宅不動産の査定を取り、時価ではこのくらいの不動産を相続するということがどういうことなのか（長男がどのように得をするのか）についてお話しましたが、結局長男が相続することでまとまりました。

遺産分割協議が成立するということは、相続人全員がさしあたりの納得感を得られたということですが、できることなら将来に向かって後悔のない意思決定をして頂けるようなサポートをこれからも心掛けていきたいと思います。